Child's days memory

更新頻度はムラがあると思ってください。。。

第2回「金平糖の精の踊り」

音楽ってすごいと思いませんか
例えば昔よく聴いていた音楽を聴くだけで
その当時自分が何をしていたか何を思っていたかが全て鮮明に甦ってくるんですよ
これって中々にすごいことだと思うんですよ
普段は頭の遥か片隅に追いやられていたどうでもいいような思い出すら瞬時に引っ張り出してくれる
これが音楽の力なんですね
それ故に人々は自分たちの青春時分に聴いた古びたレコードを引っ張り出しては若き良き日に浸るわけです

ただこのことが必ずしも良いことかと言われると決してそうではないんですよね
負の側面も当然あるわけです
だから私はHYの『NAO』を聴くと当時相当に入れ込んでいたあの娘のことを思い出して軽くヘコんだり
宇多田ヒカルの『誰かの願いが叶うころ』を聴くと膀胱炎が全然治らなくてもう一生治らないんじゃないかと中二心に絶望していた頃を思い出してブルーな気持ちになったりするわけです

前置きが長くなりましたが今回はそんな負の側面のお話です



私はちょうど中学生のころクラシックに少し嵌まりまして
祖父の家にあったおそらくディアゴスティーニ的なもので集めたであろう作曲家ごとに一枚にまとめられたCDを借りていっては
クラシックにも色々あるんだなと学ぶ毎日でした
数多ある名曲の中でもヴィヴァルディの『春』と並んで特に気に入っていたのがチャイコフスキーの『くるみ割り人形』です
出だしのたったたたたったったったったーという軽快で明瞭なリズムにたちまち心を奪われたんですね

そもそもこの『くるみ割り人形』という楽曲は同じくチャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』『眠れる森の美女』と並んでバレエ界の3大楽曲として有名なわけですが
とにかくバレエ楽曲というだけあって場面ごとの様々な印象の楽章がいくつも合わさって構成されており
そのひとつひとつの楽曲にもタイトルがついております
どうやらその全ての楽章を合わせると80分以上あるそうですが
私が聴いていたのはおそらくバレエ用に20分ほどにまとめられたバージョンであったと思います

そんなわけで冒頭から一気に虜になって暫く聴いていると
遂に問題の場面へ差し掛かります
そうです
今回のタイトルにもある『金平糖の精の踊り』です

この部分はくるみ割り人形の中でも一番有名な部分かもしれませんね
冒頭から少しダークな雰囲気を醸しつつも
なんとも神秘的な音(チェレスタという楽器だそうです)で奏でられる独特な楽曲の雰囲気は正に名は体を表すといったかんじです
少し異質で不気味な印象を受ける方も結構いらっしゃるとは思うのですが
私の思いはそう簡単なものではありませんでした



まず


私はこの部分を以前どこかで聴いたことがありました


半泣きになりながら



どういうことか


実はこの『金平糖の精の踊り』ですが


教育テレビ(現在のEテレです)で流れていたんです


それもかなり不気味な映像とともに!!!



私が幼いころの教育テレビというのはとかく子どもへトラウマを植え付けるのが目的かと思えるほどおぞましい映像や音源をしばしば流したりしていたものです
これに関しては他にもまたまだ語りたいことはありますので改めて別の機会に存分に語りたいと思っております(怒


そんなわけでこの曲を教育テレビで流すこと自体が中々アウトだと思うのですが
その問題の映像というのが8等身くらいのカエルが曲に合わせて踊ったり上下に跳ねたりしているのが延々と流れるんですね
まあ映像としては幼少期の記憶ですのでかなり曖昧ではありますが
なにかまた言葉では伝わらない不気味さがあったんですよ
これが流れるたびに幼稚園~小学校低学年の私はとにかく早く終われと願うばかりでありました(結構短期間に何度も流れていたような印象。。。)


というわけで私の中学のころといえばインターネットはまだまだアンダーグラウンドyoutubewikipediaでさえよく分からないサイトという印象でしたので
それ以上調べることもできず
ただなんとなく思い出されるその不気味な映像に身震いし


私はそっと


チャイコフスキーのCDを封印した(笑









そして時は流れて現在

私はまた出会ってしまった

第1回の記事を作成中『くるみ割り人形』というワードに(まだ読んでいないという良い子のキミは是非第1回の記事も読んでね☆)

そして私はあの忌まわしき映像とともに全てを思い出したのです

そんなこんなで初回投稿時に既に次の話のネタが出てくる幸先の良いスタートに若干テンションの上がっている私はさっそく某tubeにて『金平糖の精の踊り』を恐る恐る検索してみることに


んーあぁ、まあそうよね、バレエの映像とかオーケストラとか色々出てくるよね
うん、これはこれで後でちょっと見たいが今はそうじゃない


気を取り直して私は悪魔のワードを付け加えた



金平糖の精の踊り 教育テレビ』







あ、あった。。。。これや。。。

音楽ファンタジーゆめと書かれた動画がトップでヒット

某tubeが見られる環境の方は是非一度ご覧下さい
正直今改めて見ても子ども向けに流す映像として正しいとは思えないのですが
ただ怖さを感じない人は全く感じないでしょうかね
そういう微妙なつくりになっていると思います

見られない方の為に簡単に言いますと
先ほど申し上げたカエルが踊る映像がメインで流れつつ
オタマジャクシやタマゴなどが登場
さしずめ生命の成長なんかがテーマだったりするんでしょうかね教育テレビですし
どちらにせよ『金平糖の精の踊り』とは全く関係の無い内容が若干テンポを上げた本曲に合わせて全編安っぽいポリゴン映像にて展開されます



番組のとこも少し調べてみました

番組名は前述の通り『音楽ファンタジーゆめ』
放送期間は92年から99年の7年間ということで正にドンピシャ世代というところでしょうか

他にもクラシック関係の楽曲を様々なCGとともに流していた5分間の番組ということのようですね
いくつか関連動画を見ているとなんとなく覚えてはいましたがやはり『金平糖の精の踊り』(番組内では『こんぺいとうの踊り』となっていました)のインパクトが強すぎて他の内容はほぼ記憶にないですね

何はともあれ久しぶりにトラウマ映像を目の当たりにし
充実感と若干の恐怖心を胸にこの一件はこれにて幕引きとなります



ちなみにチャイコフスキーは封印したとネタっぽく書きましたが(聴いた当時は本当にそうしたと思います)
その後は普通に聴きますし『くるみ割り人形』も大好きです
もちろん『金平糖の精の踊り』含めて。

まだ聴いたことの無い方は是非一度全編通して聴いてみてくださいね
当然私が言うまでもないですがとても良い作品です







今回は第1回と違って実物に辿り着けましたので無事解決ですかね
幼少期に感じた恐怖やトラウマというのは中々消えないものだなと再確認することが出来ました


もし教育テレビにやられた経験があるよって方は是非コメント欄で教えてくださいね